とあるECシステムより、Shopify(ショピファイ)へリニューアルを経験し、今まで他のメルマガシステムより配信していたメールマガジンの配信をShopify Emailアプリを活用して配信することになりました。そこで Shopify Email の基本と、注意点などをまとめてみました。

そもそもメールマガジンなんて、「古い!」とか、「いまどきSNSがあるじゃないか」、「開封率で言ったらLINEの方が良い」、「それでも工数をかける必要があるのか?」など、メルマガに対するネガティブな声も聞こえてきそうなものですが、メルマガだってまだまだ侮れないマーケティングツールです。
購読している人の数や開封率は低くとも、わざわざメールアドレスを登録しメールマガジン受け取る顧客はブランドのコアファンであることが多いです。

Shopify Email とは?

Shopifyで作られたサイトより配信できるメールマーケティングアプリです。その名の通り、Shopifyがリリースしているアプリなので、Shopifyで作られたサイトに最適化されたアプリになります。

テンプレートが用意されており、ロゴ、商品、ストアカラーが自動でメールテンプレートに取り込まれます。またオリジナルのレイアウトやデザインをコーディング知識不要で作成可能。毎月最大2,500通のメールを無料で配信することができます。自社のドメイン名を使って送ることができるため、ブランドロイヤリティを構築でき、お客様リストを取り込んで、リスト化することでセグメントごとの配信も可能。キャンペーンのパフォーマンスを把握することができます。
メール作成、配信から、解析までショピファイ管理画面で完結することができる、とっても使い勝手のよいアプリです。

できること
・メール作成
・ディスカウント配信
・顧客のグループ化
・解析

難しいコーディング知識がなくても、直感的にメールを編集することができます。差し込むヘッダーやトップバナーなどはドラックandドロップするだけ。画像セクション、テキストセクション、商品セクションなど好きなセクションを追加し、基本のレイアウトを作ります。各セクションでは、リンク先をサイト内の好きなページやコレクション(商品一覧)、任意のURLを簡単に指定できます。商品セクションでは登録している商品画像とテキスト、価格、リンク先引っ張ってきてくれます。基本カラーやフォントなどはサイトのトンマナに合わせてくれますので、 文字サイズなどに気を配ることができれば、 コーディングはおろか、デザインに明るくない人が作ってもある程度ブランディングを崩さない、メールを作成することができます!

ショピファイデフォルトの顧客管理の「絞り込み」を使って任意の絞り込みを保存しておくと、ショピファイメールの配信先で各グループを選択できるようになります!たとえば
「購入◯回以上+支払い◯◯円以上」
「最終購入日が◯日以上」
「登録はしているけど購入経験なし」
などなど、顧客のサイト利用状況に応じてグループを作成してメールを配信することができるわけです。

このような項目で絞り込みができます。

解析機能も便利です。送ったメールに対しての解析結果も一目瞭然です。
レポートでは各メールに対する開封率やクリック率、カートに入れた割合、購入金額、メルマガ解除数などがシンプルに確認できます。もちろんトラッキングタグの設置なども必要ありません。

毎月2500通までは無料で、超えた場合は100通1ドルという価格設定ではありますが、 効果の高いクリエイティブ、効果の高いセグメントを評価してブラッシュアップすることに力を注げるので、優良なマーケティングツールであるに違いないと考えます。

できないこと、注意点

このように基本的な作成、配信、解析については言うことなし!なのですが実際に導入しようと思った時に感じた不便な点もあります。

難しいこと
・自由なデザイン
・配信スピードが安定してない
・細かいステップメール
・メルマガ会員リストの移動

まず作成についてですがバナーについては用意すれば好きな物を入れることができますが、商品については配置が決まっており、登録商品を引っ張ってくるため商品名などを細かく変更することができません。今まではHTMLで作成していたため、自由度は制限があることがいなめません。ただ、制限があるからこそ誰が作っても一定のクオリティが確保できるし、デバイス毎の表示崩れなども限りなく防ぐことができます。

配信については、時間帯や件数によっては配信時間が結構かかってしまうということが、配信してみて判明しました。平日19時頃に8000件ほどを2時間くらいかけて配信したかと思えば、休日の昼頃に配信したケースでは数分で配信完了したりと、バラつきがあります。配信数が多い場合は注意が必要なポイントだと思います。また、前途したセグメント配信ですが、ECの購入履歴と紐付けられるといっても、顧客管理で絞り込める範囲なので、より細かな購入の詳細に紐づけるには限界があります。

もっと細かい購入履歴や顧客のランクやステータスに合わせてのメールマーケティングや、自動で最適化してくれる機能など、さらにハイスペックなものをご検討されている場合は、別のアプリを探す必要があると思います。

そして話はそれますが、一番苦戦したのが、リニューアルに際してのメルマガ会員の移行です。ショピファイで集めたメルマガ会員へのマーケティングであれば何も問題はありませんが、すでに他のシステムで持ってるリストを取り込むのには苦労しました。こちらは顧客データ移行にも共通したところですので、また別の記事で書きたいと思います。

まとめ

足りない部分もありますが、HTMLでメールを書いてECとは別のメルマガ配信システムを利用していた担当者は、今までの作業を簡略化できることは間違いないですし、改善していくにあたっても運用者の負担を減らしてくれます。自動化やステップ配信など、掘り下げたメールマーケティングをご検討の方も、まずはShopify Emailがどのようなものかインストールして、自社の施策に適しているのか、試してみる価値があると思います。

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