こんにちは、上原です。
私は運営サイドのディレクターなので、クライアントのECサイトの保守や運用のフォロー・コンサルティングをすることが多いです。

先日、あるクライアントさんで使用しているサーバー業者から「新サーバーに移設するため、ご確認をお願いします」という案内が届きました。
サーバー移設以前に、そもそもサーバーの仕組みがいまいちわからず‥

入社歴4年目に入りましたが、この際にきちんと整理して、ある程度は説明できるようになっておこうと思い、今回この記事を書くことにしました!

①そもそもサーバーとは、役割

英単語「Server」からきており、「仕える人・給仕人」という意味です。
情報やデータなどを私たちが使うPCに提供するソフトウェアの入ったコンピューターのことを指します。

私たちが私用するPCもコンピューターですので、PCもサーバーもコンピューターであることは変わりありません。
ただ、個人で使うPCよりも、サーバーは世界中へデータやサービスを提供しなければならないので、個人のPCより高スペックで高い処理能力や安定性が求められます。

なので通常のPCよりも何倍もの金額で販売しています。
※一般的には30万~100万円、更によい性能やキャパのものだと1000万円オーバー

サーバーの仕組みと流れ

基本的な4つの名称と各役割です。分かりづらいので図解にしてみました!

  • ソフトウェアの入ったコンピューター(提供する側):サーバー
  • 自分のコンピューター(受ける側):クライアント
  • クライアントがサーバーに送る情報:リクエスト
  • サーバーがクライアントに送り返す情報:レスポンス

流れとしては

  1. クライアント「www.●●.jpのサイトを探して!」とサーバーにリクエスト
  2. サーバーはURLを探して「見つけたよ!」とレスポンス
  3. クライアントは「そのサイトを見せて!」とリクエスト
  4. サーバーはクライアントにWebのHtmlやJSを見せてあげる、レスポンス
  5. クライアント側のブラウザで私たちの目に届く

となります。

サイトURLをクリックしてから、ほんの数秒の間にここまでのやりとりがサーバーと私たちのPCの間で行われていることになります。

②基本的なサーバーの種類

ネットワークサーバー

インターネットを使ってサービスを提供するコンピューター全般のことです。
「サーバー」または「サーバ」と同じ意味になります。

メールサーバー

メールを送受信するためのサーバーです。

メールを受信するための「POP
(Post Office Protocol) サーバー」というサーバーとメールを送信するための「SMTP
(Simple Mail Transfer Protocol) サーバー」というサーバーが使われています。

メールサーバーからの承認を得ることで、私たちのPC内のメールソフトで送受信をすることができます。

PCでメールを設定する際にいつも出てくるワードですよね。

ゲームサーバー

ゲーム用に用意されたサーバーです。

近頃はオンラインゲームも一般的になり、オンライン上で何十人、何百人が同時にプレイできるようになりました。


そのプレイヤーたちが同時にサーバーにアクセスすると、サーバーに負荷がかかり、タイムラグやストップしてしまうこともあります。

ゲームサーバーにおいては複数台用意するような運用が多いそうです。

 DNSサーバー

DNS(Domain Name System)サーバーとはIPアドレスとドメインを結びつけるためのサーバーです。

IPアドレスとはWeb上の識別番号(かなり覚えにくい数字)であり、数字の羅列に名前を付けたものがドメイン (例:https://www.ドメイン) と呼ばれるものです。

個人を識別するための住所ともいえるIPアドレスを、ドメインに変換するDNSサーバーは、インターネットを利用する上で欠かせないものです。

FTPサーバー

FTP(File Transfer Protocol)サーバーはWebサーバーにファイルを送受信するためのサーバーです。

先程、図で説明したWebサーバーとしては、アクセスがあった場合にファイルを送信(レスポンス)するだけでしたが、FTPサーバーでは、クライアントがPCからサーバーにデータをアップロードしたり、ダウンロードしたりすることが可能になっています。

Webサイト作成の際には、Webサーバー上に新しいファイルをアップロードするためにFTPサーバーが用いられます。

レンタルサーバー形態

サーバー自体は購入することは少なく、物理的にサーバーという箱を購入することも可能ですが、価格はかなり跳ね上がります。
そのため、レンタルすることがほとんどです。

形態についてはいくつかあります。

専用サーバー

サーバーを貸し出す(レンタルする)サービスです。
1台のサーバーを物理的に借ります。

ただ、実際にサーバーを借りて会社や自宅に置いておくわけではありません。
サーバー機器を持っているレンタル業者と契約し、会社や自宅からそのサーバーにアクセスするという形になります。

サーバーは基本的に起動したままになるため、本来かかる場所代や電気代がかからないためお得です。
また、業者側で管理・メンテナンスをしてくれるという点がメリットです。

賃貸住宅で例えると、一軒家を賃貸する形のイメージです。

共有・共用サーバー

大きなサーバーの一部を間借りするサービスです。


これもレンタルサーバーと同じですが、 レンタルサーバーは1台のサーバーを物理的に借りるのに対し、共有・共用サーバーは1台の一部分だけ借りることになります。(処理能力などは落ちるでしょう)

価格は専用サーバーよりも抑えられるため、「そんなに大きなサーバーはいらない」というときに便利です。

賃貸住宅で例えると、シェアハウスのイメージです。

クラウドサーバー

名前通りクラウド環境にあるサーバーのことで、複数あるサーバーの種類の中でも新しい形態のサービスです。

クラウドサーバーを直訳すると「雲の中のサーバー」ですが、仮想的なクラウド環境にあると言っても、実際には物理的なサーバーが存在していて、インターネット経由で私たちが利用するのがクラウドサーバーです。

賃貸住宅で例えると、マンションのイメージです。


【Googleの巨大サーバー】各国に拠点があります。

③よくある疑問

①有料サーバーと無料サーバーどちらがいいの?
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レンタルサーバーの中には無料でレンタルできるものもあります。
「無料で使えるなら最高!」と思うかもしれませんが、無料であるがゆえにデメリットももちろんあります。

デメリット一覧

  • 低容量のサービスが多い
  • 広告が表示される
  • ドメインを指定できない場合がある
  • 商用利用ができない場合がある
  • サポート対応がない

本格的に運用したい場合は有料レンタルサーバーをおすすめします。

②サーバー移転することになった。何をすれば?
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アクセスが増えて、サイトが重くなることが多くなったり、新しい機能やサービス導入のためにサーバーを変えるなど、様々な理由からサーバーを移転するタイミングがでてくると思います。
焦らず以下のフローで1つずつ対応しましょう!

大まかな流れ

  1. 新しいレンタルサーバーの契約をする
  2. FTPの設定を新サーバーに変更する
  3. ネーム(DNS)サーバーの設定変更をする(契約しているドメイン会社の管理画面から変更します。)
  4. FTPソフトでデータを新サーバーにアップロードをする。

細かい説明は、長くなるためここには記載できませんが、ある程度の規模のレンタルサーバー会社であればサポートも充実しているため、右も左もわからない状態であれば、問い合わせてしまった方が早いです。

レンタルサーバー業者が持っているサーバー自体をアップデートする場合もあります。その場合は内容がそれぞれ異なるため、業者からの指示をもとに作業しましょう。

究極、サーバー移設代行サービスもあるので最終手段として押さえておいてもよいでしょう。

④まとめ

いかがでしたでしょうか?

かなり難しそう‥と倦厭しがちですが、最低限抑えるポイントはきちんと押さえておくことが大切です。

仮に外部に管理をお願いしている場合でも、丸投げではなく、ある程度理解をしておいたほうが何をする上でも圧倒的に話が早く、認識違いも発生しにくいです。

プロにまではなれなくても、Web業界においては必ずセットのものですので、必ず基本的な名称と役割は抑えておきましょう。

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