LINEは月間アクティブユーザーが9000万人とも言われる日本国内で一番普及しているコミュニケーションツールです。読者のみなさんの中でも、InstagramやTwitterなどのSNSは見る専門だけど、LINEは日々連絡手段として使用しているという方も少なくないのではないでしょうか。

多くの年代(10-60代)、男女問わず日本全国で使用されているツールなので、幅広いビジネスのターゲットの生活に最も密着しているツールのひとつといえます。

ブランドやECサイトのLINE公式アカウントは作ってあるし、定期的にメッセージ配信はすでに行っている!というケースも多いと思います。しかしただ一方的にメッセージを配信するだけになってはいませんか?

単純に既存の友だちへ一方的に情報を提供するだけでなく、現在LINEでは、顧客と企業やサービスの距離を近づけ関係を深める=「顧客エンゲージメント率を上げる」ために活用できるサービスが多数ローンチされています。

すでに抱えている既存顧客との密接なコミュニケーションを測るのはもちろん、LINEが保有している顧客のみなし属性を活用した広告で新規顧客を増やすなど、上手に活用して本当に顧客が定着する施策をスタートさせましょう。

LINE公式アカウント基本情報

LINE公式アカウントは、家族や友達とコミュニケーションをとるのと同じように日常に溶け込みながら企業・店舗との接点を創出するサービスです。無料のプランから用意があるので小規模の個人経営の店舗から、大企業のサービスまで多くのビジネスが参入しています。

フリープラン
月額固定費 無料 5,000円
無料メッセージ数 1,000通

ライトプラン
月額固定費 5,000円
無料メッセージ数 15,000通

スタンダードプラン
月額固定費 15,000円
無料メッセージ数 45,000通

主な機能

・トーク画面、LINE VOOM(タイムライン)でのメッセージ配信
・LINEコール(通話・ビデオ通話)
・リッチメニュー
・ステップ配信 
・応答メッセージ

※友だち追加から経過した日数などでセグメントし特定のメッセージを自動配信する「ステップ配信」や「応答メッセージ」にて通常のトークと同じように会話をすることも可、自動応答メッセージを用意しておくこともできる。

顧客ランクによりメッセージを変えたり、問い合わせに素早く返答したり、顧客満足につなげる施策が可能になる。

そのほかにも、

・クーポン 
・ショップカード

※どちらもクーポンやポイントカードを発行する機能で、O2Oマーケティングで活用が期待できる。

O2O(Online to Offline) ・・・オンラインからオフラインへの集客手法、施策

このように公式アカウントを開設するだけでもできることは多数ありますが、次はより具体的に公式アカウントと掛け合わせて活用することができるLINEファミリーのサービスをご紹介します。

既存顧客との距離を縮める具体施策のヒント

公式アカウントの基本機能を網羅するだけでもいろいろな施策が思い浮かんでくるところですが、LINEには沢山の付帯サービスや拡張機能があります。ここでは事例に合わせたLINE公式アカウントや付帯サービス、拡張機能をいくつかご紹介します。

事例 1

アパレルEC(リアル店舗/ECサイト)どちらもあり。
店舗、ECサイトのCRMはスマレジで管理。どちらかといえば店舗の売上重視のブランド。
リアルを起点に店舗ECの垣根を越えてミュニケーションを図り相互の顧客との絆を深めたい。

LINEミニアプリ EDWARD|エドワードの導入
店頭にてQRコードを読み取るとデジタル会員カードが発行でき、ポイント付与ができる。
公式アカウントならびにスマレジが持っている顧客情報を連携し一元管理できる。
詳細な顧客データによってセグメントしたメッセージ配信が実現。

例えば累計購買金額が高い上位顧客へ特別なクーポン配布、お誕生日にはお祝いメッセージ、店頭の顧客をECへ誘導するなど、リアル店舗とECを横断した能動的アプローチが可能になる。

ポイント:
クラウド型POSスマレジが必須になるが、オンラインオフラインを超えたCRMデータをLINEで活用できるところが嬉しいポイント。
開封率60%とも言われるLINE配信でより的確なアプローチが可能になるのでは。
「ShopifyとスマレジベースのOMOパッケージ」の提供なども予定されており、今後より導入ハードルは下がってきそう。

OMO (Online Merges with Offline)・・・オンラインと、オンライン以外といった垣根を越えて、顧客にどのような体験をあたえるかを軸に考えるマーケティングの考え方

事例 2

アパレルECやセレクトショップ(リアル店舗/ECサイト)どちらもあり。
購買までに「接客」を必要としているような、比較的高額商材を扱うブランドやセレクトショップなど。オンラインで信頼を得て、ECサイトへ誘導しCVR改善を目指したい。

LINE×スタッフスタート
LINE公式アカウントを通して、バニッシュ・スタンダード社が提供する「STAFF START」サービスを活用できる。
スタッフ個人のアカウントを登録し、EC上、各種SNSや店頭でユーザーへ認知させる。
ユーザーは好きなスタッフのアカウントを友だちになり、直接メッセージで問い合わせを送ったり、コーディネートの相談など自由に会話ができる。
スタッフからのメッセージ配信も可能。LINEコールを使ってビデオ通話(オンライン接客)も可能。
ECに誘導する際はパラメーターを付与してユーザ―に案内することでスタッフのEC売上への貢献度が視覚化できる。

ポイント:
スタッフ単位でユーザーとつながることでファンとの細やかなコミュニケーションがオンラインで実現する。スタッフが信頼を得ることでブランドやショップへの信頼度がアップ。

事例3

アパレルEC(若者(10-20代)向け)化粧品などのECサイトや健康食品など
特にECでの売上拡大に力を入れていきたいブランド。オンライン上での認知拡大を目標としているブランドや店舗。

新規顧客(友だち)の獲得をしたい事業者にはLINE広告が効果的。
こちらについては次に詳しくご説明します。

LINE広告の基礎知識と特徴

前途の通りLINEは莫大なアクティブユーザーを持っているので、LINE広告多くのリーチが見込めます。またLINEは細かい個人情報(本名や詳細な住所など)は登録しないですが、スタンプ購入履歴や、LINE内での行動、趣味趣向などの「みなし属性」というデータを大量に抱えています。

こちらでは基礎知識と、LINE特有の広告の特徴などをご紹介していきます。

課金方式
クリック課金タイプ(CPC)静止画1クリックされると課金される
インプレッション課金タイプ(CPM)動画1000回表示で課金される
友だち追加(CPF)LINE公式アカウントの友だち追加、ブロック解除を行うと課金される

オークション方式なので予算が少なすぎると表示されなかったり、すぐに予算消化しきってしまうことがある

目的別めやすの設定金額
サイトアクセス 24円/クリック~
友だち追加 50円/友だち~
インプレッション 200円/1000IMP~
など、入札方法や課金タイプなどにより異なりますが、詳しくはLINE foe Businessにめやす金額が案内されています。

配信枠
LINEトーク内の一番上の「SmartChannel」枠、「タイムライン」になじませて配信される枠、「LINE NEWS」内の広告枠、「ホーム」タブ内の広告枠など。
また関連アプリ内の広告枠への表示も可能。配信面は多数ある。自動配置がおすすめ。

3種のターゲティング
・LINEデモグラフィックデータ配信
性別、年齢、地域、興味関心によるターゲティング
LINE内での公式アカウントの友だち登録履歴や、スタンプ購入履歴といった、LINEが持っている独自のユーザー属性をターゲットに設定できます。
Facebookほどは細かいユーザー属性は取れませんが、リーチ数は相当なものがあるので、多くの「これから顧客になりえる」ユーザーへリーチできることが強みです。

・オーディエンス配信
こちらは設定したオーディエンスグループに対して配信を行うターゲティングです。
「自分のサイトへ来訪歴あり」「公式アカウントの友だち」などが設定できます。また、自社で保有しているユーザーの顧客データ(電話番号やメールアドレス)をアップロードしマッチしたユーザーへ広告配信することも可能です。

・類似配信
こちらは「オーディエンス配信」で用いるオーディエンスをもとに類似しているユーザーに対しても広告を配信する方法です。
「濃度」を手動または自動で設定でき、1%が最も元のリストに近い配信になります。(15%まで設定可能)
自社サービスや商品を知らない、新規客へのアプローチが可能になります。

クリエイティブ
クリエイティブ、タイトル、ディスクリプションを用意しますが、LINEの特徴として配信面によってはクリエイティブとタイトルのみしか表示されないことがあります。
したがって、クリエイティブについてはモバイル視認性の高いものが望ましく、タイトルは商品名などではなく、訴求要素を端的に表現することが望ましいです。

また静止画で画⾯上のテキストが20%を超えると配信が抑制されてしまうので20%以内にテキストを収める必要があります。
動画については、開始3秒まで見てもらえれば引き続き閲覧する傾向にあるようです。
CVRを上げていくために、クリエイティブ内容はもちろん、タイトル、ディスクリプションについてもいくつか用意して最初から比較配信することが推奨されています。

ポイント:
LINEはアクティブユーザー数がほかのSNSと比較しても圧倒的に多く、独自のみなし属性をもっているので、すでに公式アカウントや顧客リストをお持ちのECサイトにとってはさらに成果が期待できる広告であると言えます。

しかし、配信面が若干広告感が強く、アフィリエイト広告のような記事っぽい広告の方が強いという特徴があります。
同じSNSでもInstagramのようなクリエイティブでハイセンスなイメージを提供するには少し物足りないかもしれません。

まとめ

いかがでしたでしょうか。LINEは他のどんなSNSよりも生活に密着しているツールで、公式アカウントも比較的簡単に作成できます。

しかし、ただ一方的に情報を配信するのではなく、一歩踏み込んでいまよりもっと顧客との関係性を深める=エンゲージメント率を高め、最終的に「LTVを上げること」それこそがLINEマーケティングの真髄であると考えます。

既存ユーザーはもちろん、まだ見ぬ新規ユーザーにとって、「なが~く愛されるブランド」になるためのヒントにしてみてくださいね!

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