【本記事の対象者】
・EC運営事業者で新規ストア構築やリニューアルを予定している方
・盛り込みたい機能がある程度決まっている方
・Shopify主要プラン(ベーシック・スタンダード・プレミアム)を検討中の方


ここ2-3年であっという間にShopifyが日本でも定着してきましたが、その勢いは今も止まらず、最近ではShopifyを指名したストア制作の相談を受けることが増えています。

シェアを伸ばしているだけあり、Shopifyには素晴らしい点が多々あるのですが、その一方で発注する際に気をつけなければいけないポイントが幾つかあります。

今回は「発注前に知っておきたい!Shopifyでのストア制作で気をつけるポイント」というテーマで、Shopifyストア制作発注時の参考にしていただきたい話をしていきます。

【目次】
●Shopifyのプランによる違いについて
●Shopifyなら何でも安く、希望通り100点満点のストアができるのか?
●アプリ(追加機能)の入れすぎに要注意
●運用上、英語スキルが必要な場合があります
●他のECシステムも比較検討しましょう。客観的・総合的な判断を。
●ARTPEACEが作るShopifyストア

Shopifyのプランによる違いについて

◯3種類の主要プランとShopify Plus
Shopifyにはベーシック、スタンダード、プレミアムの3種類からなる主要プランがあります。多くの方はこれらのプランを採用しています。
また、最上位プランとしてエンタープライズ向けのShopify Plusプランがあります。こちらは、事業規模・売り上げ規模の多い企業が採用しています。

*ライトプランについては、本記事では説明を省略いたします。

ライト
ベーシック
スタンダード
プレミアム
Plus
月額費用$9$29$79$299$2,000

◯決済周りのカスタマイズをする場合、Shopify Plusプランになる
Shopify Plusでしかできないこととして、例えば以下の点があります。

  • Shopifyによる専任のサポートを受けられるチェックアウト以降のページのカスタマイズ
  • 様々な決済方法の追加や、細かい条件つきの送料設定
  • Google Tag Managerが使える
  • 販売対象となる国や地域によって商品価格を調整・設定できる
  • BtoBの卸売りストアの開設
  • Shopifyによる専任のサポートを受けられる

特に多い要望として「決済方法によって異なる手数料を注文金額に加算したい」「代引など特定の配送方法を選択した際に、手数料を注文金額に加算したい」といったものがあります。
このような決済周りのカスタマイズについては、現状Shopify Plusでしか実現ができません。

ショッピングカートから先の決済周りで手数料などの細かい設定をしたい場合は、見積依頼段階で事前に制作会社に細かく要望を伝えましょう。

Shopifyならハイクオリティなストアを安く作れるのか?

お客様にヒアリングをしていると「Shopifyなら安い金額で色々なことが実現できると聞いている。だからShopifyにしたい」というお話を聞く機会が増えています。では、実際はどうなのでしょうか。

◯安く制作できる例
デザインテーマ(テンプレート)をカスタマイズせずそのまま使い、かつ、導入したい追加機能(アプリ)が少ない場合や、制作会社にお任せで制作をしてもらう場合だとコストを抑えた制作が可能になります。
EC事業が初めてでスモールスタートをしたい方や、制作予算に限りがある方は安くお任せで制作するのも1つの方法と言えます。

しかし、デザインクオリティが低かったり、追加機能(アプリ)が要望を満たしていない等、満足を得られない場合もありますので、事前に類似の制作事例を見せてもらうなどして必ず納得した上で発注するよう気をつけましょう。

◯取り入れたい追加機能(アプリ)が多い場合は、コスト(工数)がかかる
ある程度ECサイトを運用していると機能面の改善が課題となってきますが、求める機能が多くなればなる程、制作時の工程・時間が増えていきます。
結果、その工数が反映され、決して安くはない制作費用がかかることになります。
*アプリを多く導入する際の注意点は、この後で記述いたします。

先程も述べましたが、必ず見積依頼段階で取り入れたい機能を制作会社に詳しく伝えましょう。さらに、優先順位をつけたり、代替案が可能か、という点も予め考えておくこともおすすめします。

◯デザインテーマ(テンプレート)を使っても、クオリティの高いデザインができるとは限らない
Shopifyの魅力の1つとして、素敵なデザインテーマ(テンプレート)が多数提供されています。このデザインテーマを使うことで、制作時のデザインコストを抑えることが可能になります。

また、デザインテーマにはデモサイトが用意されています。どれもクオリティが高く、おしゃれで洗練されたサイトに見え、期待が膨らみます。

一見すると、デザインテーマを使えば誰でもハイクオリティなデザインのサイトを作れそうですが、 写真・バナー・色・フォント選びなど様々な要素が絡み合うため、誰でも簡単におしゃれなサイトを作れることはできません。

実際にARTPEACEには、「デザインテーマを使って自分達で作成したが、うまくできなたった」「安くお願いしたが、デザインクオリティが低いストアができてしまった」という相談が多く寄せられています。

業種にもよりますが、デザインにこだわる場合は、専門のデザイナーにデザインを依頼することをおすすめします。

アプリについて知っておこう

Shopifyでのストア制作で重要な役割を果たす「アプリ」。
例えば、「配送日時指定」機能を導入したい場合は専用アプリを使います。
このように、何か機能を取り入れたい場合に使うものが「アプリ」です。

自社ストア専用のオリジナルアプリを開発する場合もありますが、
Shopifyのアプリストアでは様々なジャンルのでアプリが販売されています。その中から要望に合ったアプリをインストールし、設定をしていきます。

料金は月額制のものが多く、独自に開発するに比べてコストを抑えた導入が可能です。高機能なアプリを低コストで使用できるのが魅力です。また、多くのアプリには無料期間があり、料金が発生する前にアプリを検証することが可能です。

しかしその一方で、アプリを多く導入する場合は以下のような注意が必要になります。

  • 「アプリ」を多く導入する場合は、きちんと動作するか、エラーがないか検証が必要になる
  • 「アプリ」の入れすぎに要注意
  • 「アプリがあるから大丈夫」にも注意

アプリ導入の問題点として、「入れてみたものの上手く機能しない。」「他のアプリを入れたら、使えなくなった。」「ページのデザインが一部変わってしまった」といったことが発生する場合があります。
特にアプリを多数入れるとアプリ同士がバッティングして一部の機能が使えなくなる、といったことは頻繁に起こります。

不具合が発生した場合はアプリの開発会社に依頼すれば修正対応をしてくれるのですが、多数のアプリを入れている場合は原因調査や修正に時間がかかります。

導入したい機能が多い場合には事前にテストをする検証期間を設け、不具合がないか事前にチェックしましょう。
もし不具合が修復できなかった場合や要望を満たさない場合は、独自に自分達専用のアプリを開発することも検討してください。

また、「アプリがあるから大丈夫」と思っていたができあがってみたら要望を十分に満たしていなかった、ということも多々ありますので注意が必要です。

ストアを運用する上で、英語スキルが必要な場合があります

ここまで触れてきたように、Shopifyではアプリの導入・活用がポイントになってきますが、大半のアプリは海外製のもので占められています。

2021年に入ってから日本製のアプリも続々リリースされていますが、現段階ではアプリ管理画面の言語、マニュアル、サポートなどが全て英語対応のものが多く、ストアを運用する上で英語スキルが必須となります。
社内の運用スタッフに英語スキルがない場合は、設定変更やアプリ運用に外部への委託が必要になり、運用コストがかかることも想定しておきましょう。

他のECシステムの比較検討も忘れずに – 客観的・総合的な判断を

ここまでの話で、Shopifyでのストア制作が簡単ではなく注意点が多数あることはご理解いただけましたでしょうか。

もしShopifyが有力な第一候補だとしても、他のシステムやサービスも同時に比較検討することをおすすめします。

ECサイトは公開後、様々な施策を打ちながら運用していきます。制作時にコストが抑えられても、運用や維持にコストがかかってしまえば、トータルで見たら変わりはありません。
また、運用では安定性・安全性も重要なポイントとなります。アプリを多数入れたため不安定になる、今まで使えたアプリが使えくなる、ということも想定されます。

様々なシステムやサービスを「制作・運用コスト」「運用のしやすさ」「安定性」など、様々な視点で客観的に比較して総合的な判断をすることで、最適な選択が可能になります。

以上が、Shopifyストアを検討中の皆様に伝えたい、発注する際の主な注意点となります。

Shopify自体がまだ日本での歴史が浅いため、制作費用や制作期間にバラツキがあり、発注者側から見ると不明瞭な点も多くあるかと思います。
安く作れる場合もありますが、ある程度の機能をもたせ、デザインクオリティを求める場合だと、それなりにコストがかかります。

他にも注意すべき点は幾つかありますが、制作会社の選定や発注をする際に、今回取り上げた内容を判断材料として是非ご活用ください。


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ART PEACEはアパレルECに特化し、クリエイティブと戦略でビジネス上の課題解決を目指すコンサル型の制作会社です。業界特有の見せ方を熟知しているからこそデザイン性が高く、ユーザビリティも兼ね揃えたEC構築、運営側の課題解決に最短距離でサポートします。

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