定期的に回帰が訪れるファッションシーン、その時代になぜそれが流行ったのか知っていますか?
私もアパレル業界で働きはじめて長いこと経ちますが、恥ずかしながら知らないことが多かったので調べてみることにしました。
まずは最近何かと耳にする、90年代ファッションについて掘り下げてみます。
この年代を代表する流行は、
●グランジロックから生まれたグランジ
●装飾的な要素を最小限に抑えたミニマリズム、
●ヒップホップなどのストリート系ファッション
などが挙げられます。
今回はその一つグランジについて見てみましょう。
グランジファッションを生み出したグランジロックとは、90年代のアメリカのシアトルを中心として興った新しいロックのジャンルで、80年代までメタルが席巻していたアメリカのロックチャートを塗り替えるブームとなった音楽です。
当時のアメリカは政策の失敗などによる格差が深刻化、社会には不安や不満がつのる時代で、そんな中早急なパンクのビートとハードロックの重たいリフを融合させたような、新しい音楽を奏でるNirvanaやPearl Jamといったバンドが、シアトルから続々と世に出始めました。
あまりお金のなかった彼らはボロボロに破れたジーンズやTシャツといった、近所のスリフトショップやスーパマーケットで買えるような格好でステージに立っていました。
ステージ衣装を身にまとい煌びやかで華麗といったいままでのロックスターイメージを覆すようなその格好、そしてシリアスで退廃的な彼らの悲痛な叫び、そのリアルな感じは”何か新しいもの”を求めてた当時の若者たちの心をとらえていきました。
そして彼らがメディアに取り上げられ世に広まるようになるようになると、そのファッションも注目も浴び、
グランジファッションという一つのジャンルとして確立されたようです。
ちなみにグランジとはグランジー(grungy:汚れた、薄汚い)という言葉から派生した言葉で、当時のシアトルのミュージシャン達はそのレッテルを心よく思っていなかったみたいですよ。
さらにスーパーモデルのケイトモスや俳優のジョニーデップなど様々な業界の著名人もそのスタイルを取り入れはじめ、
音楽と主にグランジファッションは90年代の一大ムーブメントとなりました。
次回はヒップホップなどの90年代のストリートファッションを取り上げてみようと思います。