ECサイトの運営で、不正注文の問題は年々深刻化しています。

Shopifyのような大手プラットフォームでは、多くの顧客が利用するため、ターゲットも広く、悪質な注文も増えてきているのが現状です。特にECストアでは、返品詐欺やクレジットカードの不正利用、配送先住所の偽装など、さまざまな手口が見られ、運営者はその対策に頭を悩ませています。

弊社でも先日、運営代行の際にShopifyで不正リスク「高」の注文が一気に10件ほど発生し、対応や対策を行いました。今日は、そのノウハウをシェアできればと思います!新生活ギフトの需要も多くなっているこの季節、クレジットカード情報や個人情報が悪用されるリスクを未然に防ぐためにも気を付けていきましょう。

実際に起きた不正リスク「高」の注文への対処法

実際に不正注文が発生したECサイトの事例を紹介します。あるショップでは、そのブランドの中でも高額な商品(5万~6万円のもの)が短時間で大量に注文されるという事態が発生しました。

注文が確認された段階では、すでにオーソリ(決済処理まで)が進んでおりましたが、不正リスク「高」のアラートがびっしりとついていたため、クライアントに確認後、全てキャンセル処理をおこないました。

また、その不正リスクの注文でキャンセル対応中に、クレジットカードが勝手に使われたという方から、ご連絡を頂きました。

ここで1点気を付けておきたいのは、ShopifyのECサイトでは精度の高いクレジットカードの審査が自動で行われることから、オーソリの実行作業を目視での確認ではなく自動設定にしている企業も多いと思います。その機能は便利で良いのですが、短期間で10件以上不正リスク注文が発生すると、以下の費用が、それぞれかかってきます。

・オーソリ処理にかかった決済費用

・オーソリ後にかかるキャンセル手数料

そのため「一時的にオーソリ処理を手動に切り替える」などの処理が有効です。

社内またはクライアントに対し、手動にする時期を設けることで、本来発生しない費用の削減をしていくのが良いでしょう。

不正注文リスクを減らすための効果的な対策

次に、不正注文を完全に防ぐことは難しくても、リスクを軽減するためにできる対策をご紹介します!実際にあった対応の流れや事例を交えて紹介していきますので、ぜひインプットしてくださいね。

【注文内容の再確認】

不正注文では、配送先住所とクレジットカードの住所が一致しないことがあります。
異常な地域からの注文ではないかをチェックしたり、疑わしい場合は、顧客に確認をすることもおすすめです。

実際に不正利用の可能性があって、電話口の方にその旨を伝えると、心配される方もいらっしゃいます。ただし、Shopifyのセキュリティ基準が高いために、これまで何度も購入できている顧客でも、リスク検出されてしまう場合もあったりします

そうした補足情報を入れてあげると、不安を解消できることが、これまでのカスタマー対応でも多かったように思います。ぜひ参考にしてみてください。

高額商品や購入者情報に不明瞭な点がある場合や、不正リスクが「中」の場合は、かならずメールや電話で購入者への購入に対しての意思確認を行うと良いでしょう。

手間はかかってしまうのですが、自動的に発送手続きに進む前に、注文内容を手動でチェックし、問題があれば対応することが水際対策として非常に有効です。

【不正注文検出アプリの導入】

季節要因などで注文件数がとても多い場合、不正注文検出のアプリを導入するのもおすすめです!疑わしい注文を事前に検出することができるので、手作業での確認を減らして、効率的にリスクを減らすことが求められる場面が多い業務の場合には、導入するメリットも多いと思います。

実際に使っているテーマと干渉が無いかなど、アプリ会社やShopifyのカスタマーサポートにも、ぜひヒアリングをしてみて下さい。

万が一被害に遭った時の対処法

もし詐欺被害にあったカード利用者がチャージバックをする場合は、基本的に商品が戻って来ずに、ショップ側が泣き寝入りする状況が多いので注意が必要です。

チャージバックが発生した場合のフォローとして、SBPS(ソフトバンクペイメント)など契約状況によっては、カードの不正利用の被害にあった方がチャージバックした際に、SBPSで一度審査を行っている都合上、負担金額の交渉が可能な場合があります

そのため契約内容を、決済システムを導入する時や、支払いツールを提供する会社に確認してから契約をする、またはあとからでも確認をしておくと安心だと思います。

また、カードが不正利用された場合は、基本的に自社で対応できることは少なく、カード会社を間に挟んで、今後の返金対応などを進めていくのが一般的です。

被害にあわれた方と連携をとって、誠実かつ迅速な対応を行っていき、Shopifyへの担当者にも連絡・報告を行います。詐欺もなかなか巧妙になってきており、対策が本当に大変で難しいのですが、今後更なる被害者が出ないようにしていきたいものですね。

商品の確認をしたり回収を試みる場合

すでに発送してしまった場合、速やかに商品を回収するために運送業者と連携して、商品の返送依頼をすることが必要です。

また、配送業者から

「ここの住所は以前に別の会社で詐欺被害にあっていると聞いています。念のため確認をしてください。」

とお電話を頂いたことがあります。


そうした配慮は有難いなと思うとともに、運送業者にも実際に商品が回収ができるか、配送先住所へ出向いて頂くことも可能ですので、不正利用の被害にあった際は、注文内容のログを控えて、冷静に対処していきたいものです。

まとめ

Shopifyでの不正注文被害は、ECサイト運営者にとっても深刻な問題ですが、効果的な対策を講じることでリスクを大幅に減少させることができます。

手動でオーソリ処理をする事や、アプリなどを使い、より安全で高度な防止策を取ること。また、万が一不正注文が発生した場合でも、迅速な対応と適切な手続きが、被害を最小限に抑える鍵となります。

ECストア運営代行担当者としては、常に最新のセキュリティ対策を取り入れ、顧客からの信頼を守っていきたいですね。

EC運用や、運用時のセキュリティに関しても何かお困りのことがございましたら、株式会社アートピースにお気軽にご相談ください!

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