ECサイトのリニューアルや新規構築を考えるとき、最も頭を悩ませるのが制作会社選定です。選定を始めたものの、気づけば多くの制作会社が存在し、会っていくうちに何が違うのかよくわからなくなると感じることもあります。さらに、費用感が大きく異なったり、営業の強さに引き寄せられて決断しそうになることもしばしばです。
本記事では、EC制作会社選定がなぜ難しいのかについて、営業担当者の立場から考え、選定のポイントと依頼者側にあったほうが良い項目についても詳しく解説します。
EC制作会社選定がなぜ難しいのか?
1. 制作会社が単純に多い
EC制作会社は数多く存在し、各社がそれぞれ異なるアプローチを取っています。選択肢が多すぎて、どこが自社に最適なのか見極めるのが難しいという声は、実際の商談でもよく聞きます。さらに、営業担当者によっても提案内容が異なるため、迷ってしまうことが多いです。
2. 会っていくうちによくわからなくなる
営業担当者と面談を重ねるごとに、話が抽象的になり、実際に何を提案しているのかが不明瞭になることがあります。提案内容が曖昧だったり、「なんとなく良さそう」と感じるが、詳細が不明という状態では、選定が非常に難しくなります。
3. 費用が制作会社によって全然異なる
同じようなサービスを提供すると思われる制作会社でも、見積もりの費用感が大きく異なることも多いと思います。例えば、同じECサイトの構築を依頼した場合でも、高額な費用を提示する会社もあれば、かなり安価に感じる会社もあるという状況が起きます。価格が異なる理由を理解しないままだと、予算の範囲を超えてしまうことにも繋がりかねません。
4. 営業が強い
営業担当者が優秀だと、プレゼンテーションや説明が非常に上手で、実際のサービスの内容に関わらず「営業力」で決定を迫られることがあります。しかし、営業のスキルが高くても、実際に提供されるサービスの質が伴っていなければ、後悔する結果になりやすいです。
5. 営業の相性
最終的に選定を左右するのは、営業担当者との相性です。営業の人間性や理解度が企業との適合性に大きく関わります。相性が悪いと、スムーズにコミュニケーションが取れず、後々のトラブルや誤解を招きかねません。
選定のポイントにしたほうが良いもの
ここで挙げた項目は確かにそうだよな・・・というより、説明されなくてもわかってるよ!という内容かと思いますが、具体的に何がポイントになり得そうなのでしょうか。営業をする立場でありながら、クライアント側に立って実際に考えてみました。
1. 課題に対してストレートな意見をくれるか
営業担当者は、企業の課題を正確に理解し、ストレートな意見を提供してくれるかが非常に重要だと考えています。御用聞きではなく、建設的なアドバイスをしてくれる営業担当者と協力できると、プロジェクトの方向性がしっかりと決まります。企業側がやりたいことばかりを実現することでそもそも購入しづらいECができあるがることもあります。例えばコンテンツを打ち出したいがためにトップページがバナーだらけになって結果的に何を打ち出したいのかユーザーに伝わらなくなるケースがあったりします。仮に現状がそういったECの場合、これは完全に見にくいので止めましょう、と言ったアドバイスをストレートに言ってくれる制作会社のほうが信用できると思います。
2. 営業担当者のリテラシ(トレンドを含む)
営業担当者がEC業界の最新トレンドに精通しているかどうかは、選定時に重要な要素です。例えば、パーソナライズ機能やモバイル対応、SEO最適化など、今後求められる機能に対してどれだけ知識を持っているかを確認しましょう。また、次に続く3の他業種の見せ方を提示してくれたりするのもポイントかと思います。
3. 同業他社の実績ばかりでなく、他業種でのコンバートできる項目の提案
営業担当者は、同業他社の実績ばかりでなく、異業種の事例も提案できるかどうかが大切です。BtoBとBtoCでは求められる機能が異なるため、同業他社の実績にとらわれず、他業種で得た知見を活かした提案をしてくれる営業担当が理想的でないでしょうか。同業実績ばかりだと結局他社と似かよったECができあがる可能性があります。
4. 見積もりだけでなく、提案書もくれるか
見積もりをもらうことは一般的ですが、具体的な提案書を提出してくれるかも重要です。提案書には、どのようなプロセスでECサイトを構築し、運用していくかの詳細なスケジュールや進行方法が記載されているはずです。これにより、実現可能かどうかを見極めやすくなります。
実は依頼者側にあったほうが良い項目
前段で迷いやすい理由や選定ポイントについて触れましたが、相談する際に決めておいたほうが良い項目も考えてみました。私が実際に困るのが、何も決まっていない、課題もよくわかっていない状態で見積もりだけ取りあえず求められるケースです。それでは何を解決するための商談なのか不明なまま、ただ金額だけ提示する、というのはなかなか難しいです。パッケージで◯◯円のようなものでしたらすぐに出せるかもしれませんが、実際にそれで依頼者側の課題が解決できるかどうかはわかりません。最低限、以下の項目を用意して頂くとより具体的な提案や、充実した商談ができると思います。
1. 現在抱えている課題
依頼者として、現在の課題を明確に伝えることが非常に重要です。例えば、**「リニューアルしたいが、費用感がわからない」「どのプラットフォームが最適かわからない」**という具体的な悩みを共有することで、営業担当者も適切なアドバイスをしやすくなります。また、担当者が辞めてしまい、引き継ぎが難しいという課題も、早めに伝えておくとスムーズに進みます。
2. ご予算感(不明な場合でもレンジ感)
予算感が不明な場合、まずは相場を聞いてみることが有効です。「なんとなく高い」「良いのかわからない」と感じているだけでは、双方にムダな議論が発生します。自社の予算レンジ感を伝えることで、適切な提案が受けやすくなります。
3. 納期(サイトがオープンする時期)
納期に関しても、具体的に求める期間を伝えることが重要です。例えば、キャンペーンが決まっててここまでには絶対間に合わせたい!や、だいたい8月くらいまでにはオープンしたいと考えている、など。納期が決まっていないのであれば、情報収集段階だと思いますので、そう伝えた頂いたほうが、構築ではこのくらい時間がかかって・・・のような情報をお伝えしやすいです。
4. やりたいこと(実現可能不可能かかわらず、実装したい機能など)
実現可能か不可能かにかかわらず、自社がやりたい機能や実装したい要件をリストアップして営業担当に伝えましょう。これにより、営業担当者がどこまで対応できるか、現実的な提案をしてくれます。
まとめ
EC制作会社選定は、数多くの選択肢がある中で最適なパートナーを見つけるために非常に重要なプロセスであるものの、1商談1時間ほどすると10社で10時間、さらに提案で30分〜1時間別で設けるとなると企業数が多ければ多いほど割く時間が増えていきます。営業担当者との相性や、どれだけストレートな提案や実績に基づいたアドバイスをしてくれるかが、最終的な決定を左右します。また、依頼者側も自社の課題や予算、納期などをしっかりと把握し、営業担当者と密にコミュニケーションを取ることが成功のカギとなります。制作会社の立場にはなりますが、実際の商談でよくお伺いする選定のポイントをおまとめしました。理想的なECサイト構築を実現するために、適切な制作会社選定を進めましょう。
EC制作会社目線でEC運用についても書いたものがあるので、ご興味あればぜひご一読ください。