会社の方針でBtoB ECの担当になったあなた。新規販路拡大のためにBtoBECを提案準備している責任者の皆様にぜひプロジェクト開始前に必ず理解しておくといい内容を大公開します。
この内容を抑えておくと効果のあるECが短期間で構築可能となります。
目次
1.先ずは市場理解。
BtoB市場でECの利用が伸びている背景をしっかり理解しましょう。
数字的な根拠もとても大切な要素です。大衆を動かす一つの手段として市場の動向を理由にすることがありますがしっかり情報の意図を理解してください。
出典:経済産業省「令和5年度 電子商取引に関する市場調査 報告書」
BtoCの最新のEC化率9.38%と比べて、BtoB市場のEC化率は40.0%と極めて高いといえます。
しかし、経済産業省のこのデータには「EC」と「EDI」の区分けがないため、EC化率の数字がBtoCよりもかなり大きく見えているのです。したがって、BtoBのECを理解する上で「EDI」をしっかり理解しておいた方が良いでしょう。
2.「EDI」とは
BtoB(企業間取引)で利用されるEDIについて解説します。なぜならBtoBのEC市場にはすでに解説したとおり、EDIが深く関与しています。
EDIとBtoB ECの違いは、使用目的にあります。EDIは、今まで紙でやり取りしていた帳票を電子化する目的で作られたのに対し、BtoB ECは、インターネット上でより多くの顧客へ製品・サービスを購入してもらう目的で作られました。
そもそもBtoB ECとは、企業同士が、製品やサービスをインターネット上で売買できる取引やシステムのことです。
EDIは、単純に取引を電子化して効率化するためのツールであるため、同じ取引が継続的に行われるような場合によく用いられます。一方でBtoB ECは、取引先の需要や決済状況に合わせて、マーケティングを柔軟に展開できるのが特徴です。
ちなみに、経済産業省によると、2019年のBtoB ECの市場規模は352兆9,620億円です。実は、BtoB ECの定義の中にEDIでの流通総額も含まれています。そのため、BtoB ECの一部がEDIだともいえるでしょう。
3.BtoB ECが拡大している背景
従来の企業間取引では、受発注にあたって紙の帳票を作成・印刷して取引先に郵送したり、紙の帳票を確認して基幹システムに入力したりと、アナログな業務が発生しがちです。
しかし近年では、IT技術の進化に伴いビジネスにおけるデジタル化やDXの重要性が高まっています。そうしたなか、業務のデジタル化やDX推進の一環として、受発注におけるアナログなやり取りのEC化に着手する企業が増えつつあります。
生産性向上の必要性
少子高齢化が進む日本では、さまざまな業界で人手不足が深刻化しています。そうしたなか、限られた人員で売上を維持・向上させていくためには、生産性を高めていく取り組みが必要です。
またその一方で、近年では働き方改革の重要性が高まっており、長時間労働の是正やテレワークをはじめとした柔軟な働き方への対応が求められています。
生産性を高めつつ、長時間労働の是正や柔軟な働き方に対応していくためにも、従来のアナログな手法による企業間取引からECへと移行する企業が増えてきているのです。
BCP策定の推進
近年、BCP(事業継続計画)策定の重要性が見直されつつあります。とくに昨今では、新型コロナウイルス感染症の流行拡大に伴う出社規制や対面での営業活動の自粛などで、受発注をはじめとした業務に支障が出てしまったという企業もあるのではないでしょうか。
このような有事の際でも被害を最小限に留め、業務を継続あるいは早期復旧するためには、BCP策定が必要です。
その点、時間や場所を問わず受発注業務を行うことができ、データをクラウド上に保管できるBtoB ECは、BCP対策としても有効な手段のひとつと言えるでしょう。
4.クローズド と スモールの2種類のEC
BtoB ECサイトは「クローズドBtoB型」と「スモールBtoB型」の2つに分かれます
クローズドBtoB型ECサイト
クローズドサイトとは、会員しか見られないサイトのことです。ユーザーIDやパスワードでログインしなければサイトを閲覧できないため、会員登録したユーザーしか見ることができません。企業間取引を行うBtoB ECのほか、BtoE ECと呼ばれる社内販売・職域販売用のECや、富裕層向けECにも用いられています。
事前に審査を行うなどして一定の条件をクリアした企業や顧客とだけ取引したい場合や値段を競合に知られたくない場合に適しているサイト方式で、既存顧客とだけやり取りするシステムとして活用している企業も多いです。
スモールBtoB型ECサイト
スモールB型は、BtoC ECサイトのように誰でもアクセスすることができ、新規顧客の獲得にもつなげることができます。受発注に関連する機能以外に、さまざまな機能を有するサービス・システムも存在し、マーケティングやブランディングの強化に取り組みやすいという特徴があります。
5.BtoB ECサイトのメリット
メリットを言語化することは重要です。しっかりメリットを伝えるために理解しましょう。
売上の向上が見込める
電話やファックスはもちろん、EDIを活用しても、新規顧客を獲得するのは難しいでしょう。
ECサイトがあれば、蓄積した顧客データなどを活用しながらインターネット上でマーケティングを行えます。既存顧客だけでなく新規顧客にも商品などを訴求できるようになり、売上の向上や新規顧客の獲得を見込めます。
また、商品ページをカタログのように活用して、新商品のプロモーションにつなげることも可能です。
業務の負担軽減が見込める
電話やファックスなどを使って手作業で受発注業務を行っている場合、人為的ミスが発生しやすいです。ミスを防ぐための確認作業が必要になるため、無駄な工数が発生します。
ECサイトを導入することで、受発注にかかる工数を削減できると同時に、人為的ミスも防ぐことが可能です。
また、ECサイトのページがあれば、顧客は商品の仕様などの情報を簡単に確認できます。商品の問い合わせが減ることも考えられるので、業務負担の軽減につながるでしょう。
プロジェクトへの不安
内容は理解しても構築に対する不安や費用の概算イメージなど課題は山積みです。
そんなときはまずご相談ください!