こんにちは、ECサイトの運用ディレクターをしている上原です。

今日は、日常生活でもあまり聞きなじみのない「ストーリーテリング」について書いていきたいと思います。

そもそもストーリーテリングって?

難しく聞こえますが、一言でいうと「ストーリー調に伝え、強く印象付ける手法」のことです。

英語で「Story Telling」と書きます。

直訳では「物語を語る」となり、もともとの意味合いとしては昔話や童話などの読み聞かせをする行為を指すようです。

一見ビジネスにはなんの関係が・・と思われますが、 商品やサービスの良さやコンセプトなどを効果的に伝える方法として、幅広く使われています。

商品やサービスだけではなく、自己紹介やスピーチ、教育の場などにも用いられますので、ビジネスマンだけではなく全員が知っているべき内容だと思います。

ストーリーテリングの効果・メリット

そもそも、なぜこの手法を用いるのでしょうか?

ストーリー調になっていることで、聞き手側は自身の体験に重ねて話をきくことが多くなります。
少しでも共感がうまれ「わかる!わかる!」という事が多くなれば多くなるほど、興味が生まれ、理解度が高まります。

深い印象を残せる

単純に商品名やサービス名の概要を説明されるよりも、なぜその商品が生まれたかの苦労した背景や、利用者の成功体験をストーリーとして話されたほうが、深く印象づけられます。

ストーリーテリングの成功事例

気付いていないだけで、実は私たちの日常生活でよく目にしている「ストーリーテリング」。

特に目にするのは企業のサービスや製品プレゼンテーションやCMです。いくつかご紹介します。

apple

初代ipodのプレゼンテーションの際、
「1,000曲もの音楽が、あなたのポケットに」
というフレーズを発表しました。

そのフレーズとともに、スティーブジョブスはipodの機能を説明するのではなく「iPodを使うとあなたの生活はどうなるのか」ということをメインに話しました。

当時、初代ipodということもあり画期的な製品だったはずですので製品説明だけでも人々の興味を得られるはずですが、ストーリーテリングを用いたことで、さらにユーザーの心をぐっと掴みとりました。

最近のapple製品のCMでもストーリーテリングはよく活用されています。(ほぼナレーションのないCMばかりですよね)

amazon

アマゾンの最大の売りは、豊富な品ぞろえや迅速な配送にあります。

テレビCMでは、サービスのよさを押し出すのではなく、amazonを生活に取り入れた際の人々の風景を映しています。
そのシーンの中に、翌日に届かなければならないシチュエーションを描いたりするので、共感だけではなく、サービスのよさも伝わる内容になっています。

CMのバージョンによっては、販売店舗側の視点で、商品制作の裏側や過程での苦悩、いきいきと喜んで働くスタッフの姿などを映しています。

ディズニーリゾート

「夢がかなう場所」のフレーズでお馴染みのディズニーリゾート。

キャストや来園者の幸せな瞬間を描いています。
お誕生日やプロポーズ、子供のディズニーリゾートデビューの瞬間など、見ているだけで心温まるものばかりです。

懐かしく感じたり、わくわくした思い出に感化され「またあの場にいきたいな」と共感を生みます。

ECに活用するには??

内容は大体おわかりいただけたと思いますが、ECサイトにはどのように活用していけばよいでしょうか。

商品説明

商品のデザインに込められた思いや意図、どうしてこの商品が生まれたかの背景など。
ユーザーとしては、苦悩から生まれた商品には情がはいったり共感したりするものです。

クチコミ

スタッフからのおすすめであれば、どういったときにどのように使ってどうだったか、具体的にストーリーにして書きましょう。

アパレルであれば、どういった場面でどのコーディネートにしたのか。周りからの感想はどうだったのか、など。

お客様からのクチコミを掲載する場合は、自身の体験がストーリーのように明確に書かれているものをピックアップするとよいでしょう。

コンテンツ

コンテンツ全体として1つのストーリーになっていて、その中で商品を活用して魅せていくのも有効的です。よく雑誌で見かけることが多いと思います。

これはECだけではなく、ランディングページ(広告などから着地する商品おすすめページなど)にも多い手法です。


NG!気を付けること

もちろん気を付けるべき点もあります。逆効果になる場合もありますので注意が必要。

バッドエンディングにしないこと

ストーリーテリングの効果として、聞き手側の共感をもたせることが重要です。
バッドエンディングにしてしまうと、聞き手の不安を煽ってしまい「自分もこうなるかもしれない」と感じてしまうため注意が必要です。

どうしてもバッドエンディングにする場合はレッドブルのCMのように少しユーモアを交えて笑える内容にするとよいでしょう。

ただ起こったことを起こった順に話すこと

勘違いしてほしくないのは、過去の経験談など、実際に起こったことをツラツラと話すこと。

聞き手は退屈に感じ、飽きてしまいがちです。
きちんと共感させるような流れや話し方・書き方が重要です。

完結で分かりやすい話し方を忘れないこと

ストーリーにして話すことで、過剰に細かく話したり、余計な例えや擬音などを用いて話が長くなってしまうことも多いでしょう。

人間は集中が持たない生き物ということを忘れずに。
完結でわかりやすくまとめることは、ストーリーテリングに限らず意識が必要です。

まとめ

ストーリーテリングって、なかなか馴染みのないワードでしたが、意味合い・内容としては実はそこまで難しいことではありません。

人に伝えるということは簡単なようで、とても難しいことです。

対面はともかく、ECサイトなどWEB上ではなおさらですよね。
まずはできるところから、試してみてはいかがでしょうか。


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