デザイナーの宮野です。入社2年目になり、仕事にも慣れてきました。
弊社ではECサイト作りの際、撮影のディレクションから行っていますが、
最近私自身、撮影にアシスタントとして携わっています。
ECディレクターと連携し、クライアントと打ち合わせを行いECサイトの制作を進めています。ほとんどの場合、クライアントの意向に沿って進めていきますが、まれにディレクションはお任せしますと言われる場合もあります。そのような場合は、撮影時にロゴのカラーの背景紙を使ったり、商品を引き立てる素材を選んだりするなどそのブランドらしさを少しでも引き出すディレクションを心がけるようにしています。
今回は、アートディレクターから学んだ撮影のディレクションについて流れについてご紹介していきます。
①リサーチ
まず、ディレクションを進めるにあたり大切になってくるのがリサーチです。
リサーチをする意味として以下の点が挙げられます。
・クライアントが何を求めているのかを把握すること
・ひとつひとつの素材の作り込みを行うために、完成目標となるビジュアルを決めること
クライアント、カメラマン、デザイナーそれぞれの認識を合わせるためにもリサーチは重要です。
ベースとなるカタログのビジュアルがある場合は、それを参考にリサーチを進めて提案する流れになります。
◆ビジュアルのリサーチについて
春夏秋冬、シーズンに合わせて有名なブランドのlook bookを見て、画像を集めていきます。
・写真選びのポイント
素人でも撮影できそうな写真を選ばないこと
→弊社が関わることで、ブランドの世界観を最大限に引き出すというアートディレクターの使命があります。
・スタジオ選びのポイント
予算とやりたい撮影手法ができそうなスタジオを照らし合わせながら、スタジオを決めます。
クライアントの好み(床や天井の高さ、光の入り方など)を把握しておくとより良いご提案をすることができます。
ロケハンも行います。
②資料作成
資料とは、ECサイトのどこに使う写真なのかを示す撮影指示書と当日のスケジュールを書いた香盤表のことです。
◆資料を作成するメリット
・撮影したいイメージを伝えることができる
・カメラマンがアートディレクターとデザイナー、クライアント要望を叶えやすくなる
・限られた撮影時間を有効に使うことができる
クライアントやスタッフが見やすいような工夫とはどのようなことかを考えて作成していきます。
◆気をつけている点
・書体を統一する
・適切なフォントの大きさにし、重要な部分を強調する
・タイトルと説明文の文字を見やすく配置する
・読みやすいように文章の行間をつくる
・ページごとにレイアウトの配置がずれないようにPDF資料を作成する
アートディレクターが目指すクオリティになるように試行錯誤を重ねます。
③撮影クルーとの連携
ECサイトにどのように写真を載せるのかによって写真の画角は変わってきます。
例えば上の写真のように、右側にロゴやキャッチコピー、左側に商品のイメージ画像を載せるとします。
この場合、撮影時に右側に余白を多くとっておく必要があります。ロゴやキャッチコピーを配置することをあらかじめ想定して撮影を進めます。
商品を撮影する際に気をつけていることもあります。ECサイトでは実際に商品を手に取ることができないため、商品の詳細が伝わる写真が必要です。また、ECサイトのトップに載せる場合には、ユーザーの目に留まりやすく、興味を引くような写真を意識しています。
カメラマンに要望を伝え、現場での打ち合わせをしてより良い画角を作り上げていきます。
以上のことに注意しながら、ユーザーと作り手の両方の視点を持って撮影に臨んでいきます。
④撮影当日
ライトの強さや天候によって商品の色味が変わってしまうので、実際の色と撮影した写真を良く見比べるようにしています。
撮影後のレタッチ作業の際に、色味レタッチが必要かどうかメモをしておくことも心がけていることのひとつです。
まとめ
弊社では、ECサイトに載せる素材の作り込みからEC運用までの一連の業務を行っています。
私は実際に撮影に参加したことで、ECサイトに載せる写真の重要性を強く感じました。
ユーザーが写真から得られるイメージや情報によってその商品の購入の有無を決めることも多いため、情報が伝わりやすい写真や魅力的な写真を掲載することで商品購入率の向上につなげることが可能だと知りました。
どのような写真が魅力的なのか?商品の魅力が伝わりやすいのか?を考えることの難しさを感じました。私はまだ知識が足りない部分が多くあったため、現場でのカメラマンやアートディレクターの仕事を見て学ぶ点が多くありました。
今後は、経験を積んで、商品の魅力を最大限引き出せるような写真の作り込みができるようになりたいと思っています。