コロナの状況が続く中、EC業界でも様々な動きが出てきています。
特にD2C(Direct-to-Consumer)については、店舗が機能しづらくなっていることもあって、自然に考えても、加速する方向なのだと感じてます。
D2Cを声高に押し出す企業が多くなったと思うのですが、つい先日も博報堂グループがD2Cビジネスに参入を発表しました。
「このコロナ禍でのD2Cビジネスは厳しいので、戦略はじめビジネス観点から面倒みていきますよ」ということなんでしょうけど、
ただなんというか、思うんですよね。
ああいった広告代理店が入って来てしまうとコストが膨大になってしまうので、そこそこ大きい資本を持った企業でもコスト感が合わないのではと。よっぽど予算があれば別の話ですが、コストが膨れ上がるのは間違いないのです。

(Traditional retailer vs direct-to-consumer)

そもそもDirect-to-Consumer(D2C)戦略は、製造業者やCPG(Consumer Packaged Goods)ブランドが、仲介業者を介さずに直接市場に参入するためのルートになりつつあります。

リアル店舗だったら、百貨店系やモール、webであればzozoなどなどをすっ飛ばして、直接消費者とダイレクトに取引をすることで中間コストを抑えられる。
ビジネスの指標となるのは店舗からオンラインの売上へ、KPIの基準となるのは来店者数からユーザー数へ、購買率や転換率などに変化して行ってエンゲージメントが数値化されます。時代の流れからするとごく自然なことです。

直接消費者と取引する利点はたくさんありますが、D2Cに舵をきることで、生産者と消費者の間の障壁を取り除き、生産者にそのブランド、評判、マーケティング、および販売戦略に対するより大きな影響が出ます。さらに、ブランド提供側が顧客と直接関わり、顧客から学ぶことができます。

どのカテゴリに需要がある?

Image Credits: PipeCandy

上記は、海外のデータですが、2020年4月の一連のD2Cカテゴリ中央成長率と2019年のさまざまなタイムスライスの平均成長率を比較したものです。
フィットネス、ペット、食料品は、2019年の平均と比較して健全な成長を記録しましたが、家具、アパレル、およびキッズ用品での減少はごくわずかです。でも2019年のピークと2020年4月のピークのデータカットを見ると、フィットネスとペットカテゴリーは比較的伸びていることがわかります。

その点アパレル業界は大幅にマイナスなので厳しい状況下にあります。 COVID-19の影響を本当に拡大する1つの方法は、2019年のこれらのブランドのトラフィック数を調べ、2019年12月の視点から通常の状況であると仮定して2020年の傾向を予測し、それらをどのように比較するかです。

D2Cを成功させるための21のヒント

このサイトでD2Cを成功させるためののヒントを挙げています。
(参照元)https://www.coredna.com/blogs/direct-to-consumer

1.日常品を特定し、手頃な価格にする
2.製品とマーケティングの取り組みを顧客の問題点に集中させる
3.サブスクリプションベースのモデルを開発する
4.選択を簡素化
5.コンテンツファーストのアプローチをとる
6.簡単にできる無料返品化を提供
7.有名人インフルエンサーを活用する
8.顧客に広める気を起こさせる
9.バイラルビデオを作成する
10.仮想化体験を作成する
11.マイクロインフルエンサーを使用する
12.コンテンツを作成するよう顧客に依頼する
13.積極的なSEOキャンペーンを実施する
14.インフォグラフィックとミームでソーシャルメディアを破壊する
15.エンドツーエンドのカスタマーエクスペリエンスを提供
16.コミュニティを開始または参加する
17.Facebookマーケティング
18.Instagram広告
19.YouTube広告
20.フルフィルメント会社を活用する
21.ヘッドレスであらゆる場所の消費者にリーチさせる

これらはもっともなんですが、とてもシンプルな施策の様にも感じます。
ステイタスや状況に応じてなので、予算を考慮し自分達のブランドに当てはめてうまい具合に施策を選別して行くことが必要です。いわばバランス能力。トータルして言えるのは様々な手法でマーケティング施策を行い、UX/CXの施策を深掘りして力を入れなければならないということです。そもそも自分たちの考えるUXとはなんなのかという根本的な課題にぶち当たります。

アパレル業界はどう変化する?

我々と関係が深いアパレル業界ですが、今後どういった変化が考えられるか。
まず、店舗とオンラインECの役割がもっと明確になるのは間違いなくて、店舗はよりショールームに近い形になる予想です。
もっとシームレス化され、簡素化された環境で商品を見せる、フィッティングさせるなどして、決済はオンラインのイメージです。
また、これからの時代に生き残る為にD2Cをやる上でどういったブランディングやUX施策、マーケティングが重要なのかということも真剣に取り組んでいかなければなりません。D2Cが加速する事でzozoやshoplist、magaseekなどのモールにに頼りきりだったブランドも顧客からのデータの取り方がうまくなっていき、各企業のマーケティングのリテラシーが高くなることも考えられると思います。

最後にもう一つだけ言えるのはブランディングがごまかしがきかないということ。展開する場所が限定されている分、
もはやブランド側でとってつけた様なコンセプトなどは通用しない。だからこそ提供する側のブレない姿勢やコンセプトが大切で、本当にやりたいことをストーリー化にして集合体として伝えることが大切です。
それを明文化できるかということも大きな課題なのだと思います。

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