ディレクターはデザイナーが上げてきたデザインをどう見るべきなのか、どう指摘するべきなのか。
自分が思うに年々、ディレクターの役割はかなりレンジが広く、要求レベルが高くなってきていることは確かで、もはやトータルで専門性をもちつつ業務をこなすことはそもそも困難なのかもしれません。
一方、デザインに関しては全てデザイナーにお任せするということではディレクターとしての任務を放棄してしまっているとも言えます。
なので重要なポイントを押さえてディレクションしていくやり方が良いのかと。その辺りについて少し書いていきます。
さて、大きく分けてWebディレクターの役割は以下の要素に分けられれます。
<制作ディレクション要素>
、情報設計、ワイヤーフレーム作成、サイトマップ作成等
<進行管理 要素>
スケジュール調整、タイムキーピング、クライアントやデザイナーとの意思疎通、調整等
こうあげても、実際にはまだまだやることはたくさんあり、2つの要素そ比べても使う能力がそれぞれ違うので制作ディレクション能力が高くても進行管理が伴っているとは限りません。案件規模にもよりますが、個人的には進行管理はアシスタントディレクターの様な別の人間をたてても良いかと思ってます。
これらを踏まえて、デザインについてはどういった視点を持って
ディレクションを行えば良いか話を進めていきます。
目次
◯そのデザイナーはプロジェクトの背景が理解できているか?
デザイナーからデザインが上がってきたら、
なぜ、このレイアウトにしたのか?
なぜ、写真はこれを選んだのか?
なぜ、ボタンはこの色にしたのか?
を確認してみてください。
ちゃんと意図を確認して見ることが大事で、そのプロジェクトの背景が理解できているかを確認しましょう。ちゃんとプロジェクトの概要を伝えることが前提ですが、意外とこれができていないデザイナーは多いです。
◯ルールに基づいたデザイン処理がされているか?
Webデザインの場合は特にですが、一定のトーンやルールに従ってデザインをしないとサイト全体の統一感が損なわれます。色味はもちろんのこと、左右のインデント、見出しタイトルのデザインやフォントサイズ、フォントの種類など。ガイドラインがない場合は全て自由という訳ではないのです。
特にサイトの更新時などはページなどによってデザインが流動的になってしまうパターンが多く、整合性を保つことが大事です。
◯ターゲットユーザーの視点で作られているか?
最終的にデザインした物を使用するターゲットの視点に立ってチェックし、ディレクターとして、案件の目的を再確認することが大事です。
「ターゲットユーザの目的は何か?」
「ターゲットユーザは何がきっかけでこのデザインを見るのか?」
「ターゲットユーザはどのような状況でこのデザインを見るのか?」
「ターゲットユーザはページの中のどの情報を必要としているか?」
などをチェックしてみてはどうでしょうか。
勿論、画面サイズやレスポンシブの場合のブレイクポイントなども重要な決め事です。
●デザイン上の問題点は「理由」を棲み分けして伝える
例えば、上がってきたデザインを見て
「なんとなくインパクトがない」
「あんまりかっこよくない」
というような感想を持ったとしましょう。
これを、
「イメージと違うから別案作って」
といった形で、まるっと修正指示をしてはいけません。
修正をデザイナーに依頼する場合は、作業ベースの指示だけをするのではなく、「なぜ修正をするのか?」という意図や発生した背景も伝えることが重要です。
例えば、「タイトルのサイズを大きくする」といった修正の場合、クライアントの意図が「より目立たせたいから」であれば、デザイナーはサイズを変更する以外の有効なアイデアを持っている場合が多いからです。
直感でフィードバックすることも大事なのですが、ダメだと思ったならばその後「なぜダメなのか?」という 理由を棲み分けて考え、一緒に伝えてあげましょう。