こんにちは、熊倉です。先日、休日に目黒美術館へ行ってきました。 世紀末ウィーンのグラフィック展を見てきたのですが、とても素晴らしい作品が多かったので、 中でも印象に残ったものをいくつかご紹介できればと思います。
VER SACRUM(ヴェル・サクルム)
「時代にはその芸術を、芸術にはその自由を」というモットーを掲げてウィーン分離派が生まれた当時の作品です。VER SACRUMは機関紙の名前です。グラフィックといい色合いといい素晴らしいの一言に尽きるのですが、創刊からわずか5年足らずで廃刊になったこの機関紙からは当時の何か概念を変える意気込みみたいなものが伝わってきます。
CZESCHKA, Carl Otto(カール・オットー・チェシュカ)
パッと見た時にこの時代のものなのか目を疑いましたが、間違いなく19世紀のものです。100年以上前の作品には見えず、サイケデリックな雰囲気かつ、新鮮味があります。当時この作者チェシュカの年齢はなんと20歳くらいなんだとか。すごいですね。
なんとなく、RED ZEPPERINのアルバムジャケットなんかはこのへんの影響を受けたんじゃないかなぁ、などと思ったのは私だけでしょうか。
Carl Moll(カール・モル)ハイリゲンシュタットの聖ミヒャエル教会
構成と色合いが素晴らしく、心に残る一枚でした。木版画が廃れたのち、銅版画が主流となり、ウィーン分離派による復活作品の様ですが、その復活に一躍買ったのが、西洋での日本の浮世絵のブームなのだとか。その辺りもますます興味深いです。
さてさて、今回はグラフィックデザインに触れて見ましたが、この展示は
6/10までやっているので、興味のある方は是非足を運んでみてはいかがでしょうか。
個人的には当時のグラフィックに触れ、刺激を受けるなかなかいい機会でした。
当時、雑誌やポスターなどはグラフィックを通して芸術と人を繋ぐとても重要な役割を担っていたのだと思います。
この時代でもグラフィックデザインは常に探求と刷新を繰り返してきた軌跡みたいなものを見た気がします。
歴史の深さもそうですが、グラフィック存在意義と人の生活のあり方も少しづつ時を隔て、変わってきている気がしました。
それではまた!