こんにちは!運用ディレクターをしている上原です。
「モールECは手数料もかかるから、自社ECに乗り換えていきたいが自社ECで売上出すってハードルが高い」そうお考えの方も多いと思います。
過去に何度もお伝えしてきていますが、本気で向き合い、時間をかけてしっかり取り組めば、必ず売上は上がります!今回は、自社EC運営を行ってきて17年目のアートピースが考える「売れる自社ECサイト運営の鉄則」をご紹介します。
①モールECと自社ECの違い
「モールでいいや」とお考えの方へ。
まずはモールECと自社ECの違いについてきちんと理解していきましょう。
これが理解できれば、自社ECの重要性がわかります。
モール
例:Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピング
大型ショッピングセンターの中にテナントとして間借りした店舗のようなイメージ。
特徴
- モール運営会社が提供するプラットフォーム上でショップを開設します。
- 集客力が高い。既存の大規模なユーザーベースがあるため、アクセスが期待できます
- 出店料や売上手数料などがかかります。
メリット
- 初期投資が少ない
デザインやシステム構築が不要です。 - 簡単に始められる
登録手続きが整備されています。 - 信頼性が高い
モール自体のブランド力があります。
デメリット
- 競合が多く、同じモール内に競合が多数存在。
- 価格競争になりやすく、他店舗との価格比較が簡単。
- 独自性が出しにくく、モールのテンプレートに依存し、ブランド構築が難しい。
- 手数料が収益を圧迫する。高い手数料が課される場合がある。
💡手数料の目安
1. Amazon
- 販売手数料:8%〜15%(カテゴリによる)
例:- 家電:8%
- ファッション:15%
- 書籍:15%
- 基本料金(プロフェッショナルプラン):月額4,900円(税込み)
- その他の費用:配送代行手数料(フルフィルメント by Amazon 利用時)
2. 楽天市場
- システム利用料:月額19,500円〜100,000円以上(プランにより変動)
- 販売手数料:3.5%〜7.0%(モール利用料)
- 楽天スーパーポイント分担費用:売上の1.0%(基本)
- その他:広告費用(任意)
3. Yahoo!ショッピング
- 販売手数料:2.5%(PayPay決済含む)
- ロイヤルティ(利用料):無料
※Yahoo!ショッピングは初期費用・月額費用が無料で始めやすいですが、広告出稿を推奨されることが多いです。
自社EC
例:Shopify、futureshop、makeshopなどで構築したサイト
路面店のようにお店を構えているイメージ。
特徴
- 自社独自のサイトを運営できます。自由にカスタマイズ可能。
- 集客は自力で行う必要があります。一般的にはSNSや広告、SEOなどで顧客を獲得します。
メリット
- ブランドの自由度が高く、デザインや機能を自由に設定可能です。
- 長期的な利益を見込みやすい。モールの手数料が不要。
- 顧客データを自社で保有できます。購入履歴や行動データを活用してリピーター対策が可能です。
デメリット
- 集客に時間とコストがかかります。知名度が低い場合は広告費やSEO対策が必要です。
- 初期構築が複雑。サイトの立ち上げに技術やコストがかかる場合があります。
- 運営リソースが必要
サイトのメンテナンスやトラブル対応が自社の責任。
どちらを選ぶべき?
- 短期的に売上を伸ばしたい場合
→ モールがおすすめ(集客力があるため)。 - ブランド構築や長期的な利益を重視する場合
→ 自社ECがおすすめ(自由度が高く利益率が良い)。
②自社ECをやるなら本気でやる!
まず理解をしてほしいのが、ECサイトは放置しても売れないこと。自社サイトはなおさらです。前項でもお伝えした通り、自社ECは集客が弱いこともあり、売上が作り出せるのは早くても半年〜1年後です。とりあえず作って開店させて、売っていくのではもちろん売れません。
構築段階から導線設計し、公開後の運用フェーズでは、年間の施策検討をし、実装のためには何か月前から動くのか?マーケティングの動向を日々追っていき、トライ&エラーを繰り返します。ECを毎日どれだけ動かしていけるのか?が重要です。
カスタマー業務や発送作業が優先的にせざるを得ないのですが、どれだけ本気で取り組めるか、にかかってくると思います。
③自社EC運営の5つの鉄則
とはいっても、EC業界が盛り上がってる中で、鉄則というものがあります。
以下5点を抑えておいてください!
1)顧客名簿を集め、ファン化させる
モールではモール運営側が顧客情報を所有している形になりますが、自社ECでは自社で顧客情報を独占できます。自社ECで顧客名簿を活用することは、直接お客様とつながる資産を築くこと。メールやLINEを通じて、リピーターやファンを育てることが可能です。
ファン化された顧客はリピート購入や口コミ拡散を通じて、安定した売上とブランドの成長を後押ししてくれます。また、顧客名簿を活用し、「売るだけ」ではなく「育てる」EC運営を目指しましょう!
2)ファーストビューは「検索ワード」と違和感がないように
検索ワードと大きく差がないように注意したいものです。例えば、「コスメ ギフト」という検索ワードでの流入が多いサイトだとしたら、「コスメ」「ギフト用」ということが大きくわかるようなバナーやカテゴリ設置などが重要になります。
自社ECにおいて、ファーストビューは訪問者が最初に目にする「お店の顔」。ここで与える印象が、その後の購入行動を大きく左右します。視覚的に魅力的で分かりやすいデザインや情報、目を引くコンテンツを配置することで、訪問者の興味を引きつけ、サイトの滞在率や購買意欲を高めることができます。
3)回遊率をあげる
ECサイトの「回遊性」とは、ユーザーがサイト内を自由に移動し、複数のページを閲覧する状態を指します。この回遊性を高めることは、売上向上に直結する重要なポイントです。商品の詳細や関連商品を多く見てもらうことで、購買につながりやすくなります。また、関連商品やセット購入の提案がしやすく、客単価が上がります。
■簡単にできる工夫
- 見やすいメニューやリンク設計
- 関連商品のおすすめ表示
- キャンペーンや特集ページの活用
4)商品ページで不安を解消
商品の購入までたどり着かない理由として、お客様の不安が解消できていないことが考えられます。商品ページは、ユーザーが購入を決断する最大のポイントです。このページを充実させることで、以下の効果が期待できます!カテゴリ別に工夫するのもポイントです。
■アパレル・ファッション
- 着用イメージ:モデル写真や動画でサイズ感やスタイルを具体的に伝える。
- 素材・サイズ詳細:寸法表や素材感の説明でミスマッチを防止。
■食品・飲料
- 賞味期限・保存方法:消費者が安心して購入できる情報を掲載。
- 調理例・レシピ:商品を使った活用法を提案し、購買意欲を刺激。
■美容・コスメ
- 使用方法・効果:具体的な使い方や効果を写真や動画でわかりやすく。
- 口コミ・レビュー:信頼性を高める実際の利用者の声を充実。
■家具・インテリア
- 寸法・素材詳細:設置場所をイメージできる寸法や素材の写真を掲載。
- シミュレーション:部屋に配置したイメージをCGやARで再現。
5)リピート施策
リピート顧客は、新規顧客に比べて購入率が高く、LTV(顧客生涯価値)を向上させます。新規ユーザーを流入させるのはとても費用も労力も必要です。一回来店してくれたお客様にどう2回目に購入させるかが大きなカギ。リピート率の向上は、売上の安定とコスト効率化に直結します!
主なリピート施策の例
- ポイントプログラム
購入額に応じたポイントで再購入を促進。ランク導入すれば更にファン化に貢献します。
- 定期購入割引
食品やコスメなどで、長期利用を見込んだ価格設定を提供。
- リマインドメール
再購入時期に合わせたお知らせで行動を後押し。コホート分析も活用しながら、商材に応じて時期や内容は検討しましょう。
- 限定オファー
既存顧客だけのクーポンや先行販売で特別感を演出。ただ値引くのではなく、売上にプラスになる「次回使える」「2点購入で◯円引き」などがオススメ。
④まとめ
ECは、月商1000万円になるまで、売上の壁(100万・300万円・500万円等)があると言われています。その中で、伸び悩んでいるボトルネックを、ひとつひとつをテコ入れしていきます。優先順位をつけながら解消していくことで、その壁も超えることができます。忙しい日々の中で、どうしても難しい場合はご相談ください。
アートピースは伴走型として、クライアントさんの一員としてEC運用をサポートしていきます。(時には内製化のお手伝いまで…!)
気になったらぜひご相談くださいね!