こんにちは、アートピースの大沢です。

現在のeコマース業界では、売上を増やすためには、新商品の投入や企画戦略、メルマガ施策や広告などを通じて新規顧客獲得を進めることが多いと思います。

更に、広告を回すことで流入を増やせると営業メールや電話がかかってくることもしばしばあります。

しかし、広告で短期間でアクセス数を大幅に増やすことが可能なのですが、流入が増えたからといって、すぐにコンバージョン(購入や問い合わせ)が増えるわけではないというのはEC運用の担当者であれば押さえておいてほしいなと思う点です。

ですので、今回は多くの企業が見落としがちな『流入をコンバージョンに繋げるためには、どのような施策が必要なのか?』を解説しようと思います。

なぜかというと、売上を伸ばすための施策を練る時間を確保できているかどうかが、売上アップの鍵となるからです。

今回のブログが、EC運用や企画に携わる方々や、次のような問題意識を持つ方へのヒントやきっかけとなれば幸いです。

・コンバージョン率をあげていきたい

・広告投資を無駄にしないように、ECサイトの売上向上の方法を知りたい

という方はぜひ、参考にしてみてください。

訪問者を引きつける!ランディングページを魅力的にする方法

まず始めに、広告から流入してきた見込み客がランディングするページというのは、とても重要です。訪問者が最初に目にする場所なので、世界観や広告から求めている情報がちゃんと盛り込まれているかが大切です。

例えば、ランディングページ(以下:LP)で、やりがちなことをあげるとすれば

  • LPの目的がはっきりしていない
  • 長いだけのLPになっている
  • 広告のバナーと連動していない
  • セールスするためのボタンが少ない

などです。

広告の結果から分析すると、ブランドによって課題となる部分は多いのですが、代表的なものを上げてみました。

例えば、LPの目的がはっきりしていないと、

「特設サイトを作るのには予算が足りないし、とりあえずサイトのトップに飛ばしておけばいい」

といった事が起こりがちです。

また、詰め込みたい事が多すぎたりすると、文章が長くなってしまい

「結局のところ、何が言いたいのだろう?」

「購入したいと思った商品やコンテンツまで辿り着けないからもういいや・・・」

といった形で、最初に目に入ってきたものから
自分の欲しい情報やメリット、感情が手に入らないと見込み客に感じられてしまうと、離脱の原因にもなってしまいます。

こうした部分は、自社でランディングページを作成する際に、アドバイスを受ける形をとったり、実際に広告とランディングページを連携したものを分析することで改善ポイントが見えてきます。

ユーザーを購入まで誘導する!ステップバイステップのガイド

そして、次にLPやECサイトに流れてきた見込み客が実際に購入を決めたり、何か次に繋がるアクションに繋げるためには、その行動が正当であると導線をしっかりと示してあげる必要があります。

もちろん、見込み客の状況や心理が手に取るようにわかるわけではありませんが、ターゲットを明確にすることでコンバージョン率が上がりやすくなるので、とても重要です。


そこで、広告や各種媒体で興味をもった顧客の一般的な流れをご紹介します。

1. ニーズの確認

広告などで感じた興味が、実際に自分のニーズに合っているかを確認しようと、LPを訪れた見込み客に対し、商品の特徴やメリットを確認し、「この商品が自分の問題や課題を解決してくれるか」という点をいかにイメージしてもらうかがポイントです。

2. 信用と信頼の構築

LP内で情報をインプットした見込み顧客が次に感じることとして

「この商品やサービスは信頼できるか」

「このサイトで購入しても大丈夫か」

という心理的な不安を解消しようとする傾向があります。ですので、信頼性を高めるために、ユーザーレビュー、証明書、第三者による評価などが有効だったりします。

3. 比較・検討

見込み客は他の類似商品やサービスを比較して、価格や価値のバランスを無意識に考えています。
ここでの心理としては、

「これが最良の選択肢か」

「他にもっと良いものがあるのではないか」

と、思うことも多いです。
実際に、私自身の行動を俯瞰することで、買い物の時もそうですが、何かを選択するときというのは、この段階を何度も通っているなと感じます。

ここでは見込み客に「これがベストの選択だ」と感じてもらうことが非常に重要になってきます。

4. 欲求の増大

見込み客が「これが欲しい」と強く感じる瞬間を高めるためにも、限定オファーや特典の提示などが有効ですので、企画段階で効果を最大限生かすためのオファーを事前に考えておくことが必要です。

5. 行動への促進

そして、最終的に見込み客に「これを購入しよう」という決断を下してもらいやすくするためには、「今すぐ買って本当に大丈夫か」という不安や迷いを、できるだけ取り除く必要があります。

そのために各ブランドができることとして、

・返金保証

・カスタマーサポートの強調

など、安心感を与えることが、購入をしようとする行動を促進させることがあるので、この補償のレベルはあっても、考慮しておくことが大事です。

6. 行動の正当化

見込み客の購入後の心理として、その行動を正当化しようとします。

「本当に良い買い物をした」という気持ちをしっかりと感じてもらうためにも、購入後のフォローアップや確認メールなど、次回の購入や回遊につながるよう、追加の特典や情報を提供することも有効だったりします。

そうした流れを踏まえて、LPの導線だけでなく、文言やイメージ画像などの選定など一つ一つの情報がとても大切です。

何が効果的かを見極める!ABテストの基本とコツ

ABテストは、広告やランディングページ、ウェブサイトの効果を測定に、最適解を見極めるためにはとても良い計測方法だと思います。

応用も利くので、いろいろ試してみて頂きたいのですが「一気に解決策が見つかる!」というよりかは、SEO対策のように地道にそのサイトの価値を上げていくものです。ですので、植物を育てたりするようなイメージで、気長に見守りながら、どの方法が一番自社に合っているかを見極めていきましょう。

ABテストを実装する部分は、シーズンや成長フェーズによっても異なるので、探りながらにはなってしまうので、私もクライアントさんのヒアリングをしながら最も良さそうな対策方法をお伝えしています。

その中でも、EC担当者が取り掛かりやすいABテストの方法をお伝えしていきます。
基本的にどれもGA4などのタグを埋め込んでおく必要がありますのでご注意ください。

・ヘッドラインの文言やフォント、カラーの変更する
・CTA(Call to Action)の配置箇所を変える。ボタンの色やテキスト、位置を変更する
・入力項目の数を減らしたバージョンと通常のバージョンやキーワードの選定
・テキストコンテンツの長め&短めの説明文、またはフォーマルなトーンとカジュアルなトーンを用意
・証言やユーザーレビューや証言の表示場所や形式を変え計測
・価格の提示方法を変更(割引価格を目立たせるか、通常価格を強調するかなど)
・ナビゲーションバーのレイアウトやリンクの配置を変えて、ユーザーのサイト内移動の変化を見る
・検索バーの配置や表示/非表示などの変更
・「期間限定」や「数量限定」などの緊急性を強調した表示

こうした方法も、ECサイトだけでなくメルマガやLINE配信でも活用ができますので、ぜひ活用してみてくださいね。

ユーザーに快適な体験を提供する!サイトの使いやすさをアップする方法

コンバージョンを増やすためには、サイトの使いやすさが重要というのは聞いたことがあるかもしれません。実際に自分自身でオンラインショッピングをしてみると、読み込みが遅かったり使いにくいサイトは足が遠のく経験をした人も多いのではないでしょうか?

中でも、案外見落としていることが多い部分を人の心理も合わせてご紹介していきますね。

検索機能の精度

サイト内検索機能の精度が低い場合、分類の設定などにも注意が必要です。また、サイト内検索をする見込み客の検索キーワードなども盛り込んでおく必要があります。ユーザーが求める商品や情報を見つけるのに時間がかかるほど、離脱率が上がってしまいますので、商品数の調整なども適宜行っていくのもおすすめです!

コンテンツの読みやすさ

コンテンツの量や配置、フォントサイズ、カラーリングなど実は思いが強いほどに離脱を促進させてしまうことも一定数あります。

特にSNSのバナーなどでは、わかりやすいのはもちろん、見込み客の抽象的な課題解決に直結するようなものでないと、なかなか流入数や回遊率は上がらないために、さきほどご紹介したABテストや計測が必要になってきます。

YouTubeの動画の字幕なども、視認性が悪くなることを避けるため句読点を置くのではなく、半角スペースを置いているのをご存知でしょうか?
ですので、LINEなどの配信などでも

・句読点を避ける

・文章のかたまりも3行まで

・横幅は14文字まで

といったことを意識するだけでも、コンバージョン率の改善が上がることがあります。
お客様視点を持つことが大事ですが、意外と盲点な部分も多いので、プロやコンサルなども活用して、顧客目線を大事にして諦めずに改善を重ねていくことが、実際の売上にも関係してきます。

データを使って改善しよう!効果的なデータ分析の方法と活用法

コンバージョン率向上の鍵は、データを駆使した分析と改善にあり!といっても過言ではありません。

ただ、

「Google Analyticsの活用しましょう!」

「ヒートマップツール」

「PDCA回しましょう!」

という言葉に辟易している、コンバージョン率改善をもとめられているEC運用担当者も多いかもしれません。苦笑


実際のところ、もちろんそうしたデータを見ていくことも必要ですし、それらのデータを分析しないことには、売上の向上を見込めないので必ず分析力はつけていただきたいのですが、それらは対処療法的な感じだと、私は思っています。

広告会社を利用した場合なども、数字や統計に頼りすぎて、流入数は上がっているのにコンバージョンが上がらないことがあるのも、リアルな現状です。

もっと根本的な課題であったり、原因を除去しない限り、類似した問題が次から次へとやってくるかと思います。

例えば、

複数の分析ツールを使っている場合、それぞれのデータがバラバラに管理されていることがあって、データが分散していると、全体像を把握するのが難しくなり、意思決定が遅くなってしまうということが実際にあります。(Google Analytics、CRM、広告プラットフォームなど)

そうした原因除去は、しっかり自社の課題に向き合う必要があるのですが、内部からだと見えにくかったりもするので、そういうときは外部のアドバイスを参考にするのも良いかもしれません。

あとは、KPIをしっかり設定の上、これまで実施した企画や数字をしっかり管理する必要があります。
その時の押さえておきたい項目としては以下の通りです。

  • セッション
  • 会員数(累計)
  • LINE友だち数(有効友達数)
  • Organic流入数(セッション)
  • 広告流入数
  • LINE流入数(セッション)
  • CV
  • CVR
  • 広告ROAS
  • 直帰率
  • 平均購入単価 
  • 売上(全体)純売上高 / 税抜
  • 売上(サブスク当月計上)/ 税抜
  • サブスク件数(累計)
  • 売上達成率

こうしたデータの背景や文脈を無視してしまうと、なかなか売上を2倍、3倍と伸ばしていくことが難しいので、データの蓄積はしっかりとしていきたいところです。データを戦略的に活用し、迅速かつ効果的な施策を実行することで、持続的な成長を達成できると思います。

まとめ

広告投資を無駄にしないためには、単にアクセス数を増やすだけでなく、コンバージョンへと繋げるための包括的な施策が必要です。

ランディングページの最適化からはじまり

ステップバイステップの誘導

ABテストの実施

サイトの使いやすさ向上

そして、データ分析の活用方法を紹介してきました。

これらを通じて、ぜひ広告運用を無駄にせずにしっかりと流入数をあげて、結果にも繋げるECサイトの運用をしてみてくださいね。

株式会社アートピースでは、16年にわたり、50社以上のECサイト運用代行を通じて培った経験と知識を活かし、各企業の特定の課題に焦点を当てたコンサルティングサービスも展開しております。

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最後までお読みいただきありがとうございました。

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