大ヒット商品『フットグルーマー』を手がけるサンパック。「オリジナリティ」と「更新のしやすさ」を実現した、ECサイトリニューアルの裏側を紹介
コロナ禍における小売店・飲食店のEC化は加速の一途を辿り、さらに、これまでECとは縁遠かった異業種のEC参入も数多く見られるようになりました。特にモール型ECにおいて価格競争が激化する中、自社ECサイトの強化や越境EC対応に取り組む企業が増えています。
本記事では、足裏ブラシ『フットグルーマー』で知られるサンパックが行った、ECサイトのリニューアルプロジェクトについて詳しく紹介します。越境EC対応を主目的にしながら、PDCAをスピーディーに回すための更新のしやすさにも重点をおいたという今回のリニューアル。
その裏側を、サンパック ブランド事業部 部長代理の杉本さんとEC担当の大待さん、弊社ART PEACEのディレクター高橋で解説します。
-
株式会社サンパック ブランド事業部
大待哲治さん
-
株式会社サンパック ブランド事業部
杉本豪之さん
-
株式会社 ART PEACE
高橋 完聖
目次
ECサイトリニューアルの背景と、EC市場の課題感
ECサイトをリニューアルされた目的
(高橋)はじめに、ECサイトをリニューアルされた目的を教えてください。
(杉本)もっとも大きな目的は、越境ECの対応です。
リニューアル前のサイトは画像とテキストが一体となった、いわゆるモール型EC的なサイトの作りになっていました。それを、画像とテキストを切り分け、文字ベースのサイトにすることがリニューアルの大前提で、さらに越境ECの言語対応にあたり、テキストを画像の外に出して翻訳しやすくしておく必要があったんです。
(大待)コンバージョン率アップも課題の1つでした。
広告を打った際にしっかりコンバージョンが取れるよう、トップページや商品ページの構成を変えたいと考えていましたね。
ART PEACEへ依頼した経緯
(高橋)今回、ART PEACEへ依頼された経緯を教えてください。
(大待)複数社のサンプルや実績を見た中で、もっとも私たちの意図を汲んで、イメージに近いものを提案してくださったのがART PEACEでした。
画像の量が多く画像とテキストの切り分けなど細かいご依頼ができる制作会社をいくつか紹介してもらいました。
(杉本)レディースフォーマルのECサイトの実績を見せていただいたのですが、世界観が私たちのイメージにマッチしていました。また、商品ページが画像・価格・スペックと3段階の構成になっている点や、階層を深くし過ぎずスクロールするだけで全体像がわかる点がとても見やすく、「ART PEACEにお願いしよう」となったんです。
近年のEC市場や競合他社について、課題に感じていること
(高橋)近年のEC市場や競合他社について、課題に感じていることはありますか?
(杉本)当社の売上比率は、楽天やAmazonなどのモールも含めたECが65%でリアル店舗が35%と、ECの売り上げが大半を占めています。モールは競合他社との競争が年々厳しくなっている中、指名買いのユーザーが集まるECサイトの重要性がますます高まっていると感じますね。
(高橋)たしかに、近年はすぐに競合他社が類似商品を作り、予算をかけて広告を上位表示させるので、モールでの戦い方が難しくなっていますね。どんどんと競合が参入して価格競争に陥ってしまうのが、最近のモールのよくある流れといえます。
ECサイトが重要であることはもちろんですが、ただ商品を並べるだけでなく、たとえば「足裏ブラシといえばサンパック」という風に、商材とブランド・会社名とを掛け合わせてユーザーに想起させるブランディングの役割がECサイトには求められます。
その方がファン化にも繋がり競合他社の参入は難しくなり、長期的に愛されるブランドに進化していくと思います。
もちろん、ECサイト単体で考えるのではなく、商品開発・マーケティング・広告・実店舗を連動させた包括的な戦略が必要になってくるでしょう。
サイトリニューアルの評価ポイントと手応え
今回のリニューアルで、特に評価されたポイントについて
(高橋)今回のリニューアルで、特に評価されたポイントを教えてください。
(大待)リニューアルの1番の目的だった画像とテキストとの切り分けはもちろんですが、更新しやすいサイトにしていただいたのは大きいですね。「ここに文字」「ここに画像」と、パーツごとに部品を当てはめるだけなので、自社でも簡単に更新できます。タイムリーにキャンペーンを打てるようになって機動力が高まりました。
(高橋)更新のしやすさは、当社がかなり意識している部分です。
オリジナリティを出せるのがECサイトのメリットではあるものの、オリジナリティを追求するあまり更新しづらいサイトになってしまいがちです。
当社はプラットフォームのテンプレートをうまく活用し、オリジナリティと更新のしやすさの「良いとこ取り」をしています。
今回のサンパックさまのリニューアルでも、オリジナリティがありながら、施策のPDCAをスピーディーに回せるサイトを実現できたと思います。LPをゼロから作るとなると、それなりの時間とコストがかかってしまいますので、その分の工数・経費の削減にも寄与できたのではないでしょうか。
(杉本)スクロールだけで全体像がわかるトップページもイメージ通りでしたし、類似商品との差別化というところでは、会社概要やABOUT USを入れて公式サイトであることをしっかりアピールできている点も良かったですね。
Makeshopをリニューアル後も採用した理由と、他社プラットフォームの検討について
(高橋)リニューアル後もMakeshopを継続して採用されていますが、ほかのプラットフォームも検討されましたか?
(大待)実は、今回のリニューアルに際し、他社からは越境ECに強いShopifyへの移行を提案されました。ただ、ART PEACEさんからは、ドメイン変更に伴うリスクが否定できないため、そのままMakeshopを使った方がいいのでは、と提案いただいたんです。結果的には、WorldShopping BIZを導入することでMakeshopでも問題なく越境ECの対応ができましたし、かなり使い勝手の良いサイトにリニューアルしていただいたのでMakeshopで良かったと思っています。
(高橋)ドメインが変わることによって、検索エンジンにインデックスされなくなる等のリスクは十分考えられます。プラットフォームの移行については、機能面だけでなく付随して起こり得るリスク(会員移行やポイント機能、サーバーやドメイン移管など)も踏まえて慎重に検討すべきです。
「Makeshopはテンプレっぽいデザインになるので、別のプラットフォームに切り替えたい」と要望されるお客さまも少なくありません。ただ、実は機能を活用し切れていないケースが多く、機能をフル活用すれば「これのサイトがMakeshop⁉︎」と驚くようなデザインやECサイトを作ることも可能です。お客さま自身でスムーズに更新いただけるよう、レクチャーや運用後のサポートにも力を入れています。
リニューアル後の反応、新たな発見について
(高橋)リニューアル後の反応や、新たな発見があれば教えてください。
(大待)具体的な成果はこれから測りますが、オーガニック検索からの流入数が増えており、今回のリニューアルがSEOに好影響を与えた手応えがありますね。
(杉本)自社ブランドの商品であるにもかかわらず、フリー素材の画像が多い点は、引き続き当社の課題です。一気に画像を刷新するのは難しいのですが、少しずつでもオリジナル画像に差し替えて、よりブランドアイデンティティが伝わる自社ECにしていきたいなと。そういった意味で、まだまだ伸び代があると思っています。
(高橋)予算の都合上、フリー素材を使ってECサイトを作ることも多いのですが、リニューアルでデザインが洗練されることで、フリー素材が悪目立ちしてしまうケースも少なくありません。予算やリソースは必要になりますが、有料素材や撮影した素材を使うことで、しっかりオリジナリティを出していくことが重要だと改めて感じましたね。
今後のECサイトの展望
今後のECサイトの展望について
(高橋)最後に、今後のECサイトの展望を教えてください。
(大待)たとえば、当社の商品の『フットグルーマー』には、安い価格帯の類似品・模倣品がたくさんあります。しかし、実際に当社の商品を体験いただいたら、「なるほど、これが正規品か!」と納得いただける自信があります。ユーザーを最終購買に結びつけるために、SNSマーケティングやECサイトの改善は引き続き行っていきたいです。
商品の特性上、画面越しだと良さが伝わらない部分がありますので、レビューや動画を充実させるなど、ユーザーがイメージしやすい自社ECを目指していきたいですね。
(杉本)ECサイトは生き物と同じで、アップデートしないとただの化石になってしまいます。リニューアルで更新しやすくなったメリットを活かして、少なくともシーズンに1回は季節に連動した企画を打ち出すなど、ライブ感のあるサイトにしていきたいですね。
(高橋)私たちにとってもサイトの構築がすべてではなく、そこから「売れるためにどうしていくか」が重要なポイントとなります。アクセス数やコンバージョン数など、それぞれのお客さまの目標に到達できるよう、サイト構築後もお客さまに伴走していきたいと考えています。
先ほど杉本さんが「伸び代がある」とおっしゃった通り、サンパックさまのECやマーケティングにおいて、引き続きART PEACEがサポートさせていただける部分があると感じています。私自身、サンパックさまの商材の理解をさらに深め、売り上げアップに繋がる提案ができると嬉しいですね!
株式会社サンパック
サンパックは、心と体に癒しを与えてくれる快適グッズを自社ブランド商品として全商品自社で企画・開発しています。 他社商品の真似をすることなく市場調査から企画開発、製造、販売まですべてを自社で行い、時代のニーズに呼応するかのように新たな市場を創造してまいりました。 これまで多くのメディアにも紹介され、人気を集めてきた商品群。それは、世界初のモノづくりを目指すサンパックの企画開発力、製造力の結晶です。
サイトはこちらからECサイトのことなら、アートピースへご相談ください。
アートピースは15年間のEC運用経験で、ECサイトを作るのではなく、長期的な運用を考えた戦略や設計を行なっています。ぜひお気軽にお問い合わせください。
© ART PEACE Inc.